子どもの歯列矯正は親の責任?子育ての一部なの?

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うちの子、歯並びが少し気になるけど……まあ、健康に問題なければいいか

こんなふうに考えているお父さん・お母さん、実は日本にはとても多いのではないでしょうか。その感覚、決して間違いではありません。ただ、世界では、特にアメリカでは、その「まあいいか」が、親としての責任を問われる行為として受け取られることがあるのです。

今回は、子どもの歯列矯正に対する日米の意識の決定的な違いと、意外と見落とされがちな「口臭」がもたらす対人関係・ビジネスへのリスクについて、歯科医師・歯学博士としての立場から率直にお伝えします。

アメリカでは「矯正をさせない親」は責任を問われる

日本の矯正はあくまで「治療」の位置づけ

前回の記事でもお伝えしたように、日本では子どもの矯正治療を始める動機の多くが虫歯になりやすい、食べ物が噛めないといった健康・機能面の問題解決にあります。歯並びが悪くて生活に支障が出ているから治す。つまり、矯正はあくまで治療の位置づけです。

アメリカの基準は「矯正が不要と言えるほど整っているかどうか」

ところが、アメリカでは発想がまったく異なります。

アメリカにおける矯正の基準は、歯並びが悪いかどうかではなく、矯正が不要と言えるほどに整っているかどうか。すなわち、健康への影響とは関係なく、美しくあるために行うものなのです。

さらに踏み込んで言うと、アメリカでは歯並びを整えることは、身体の疾患を治療するのと同等に重要なこととして社会全体に認識されています。欧米の中流以上の家庭では、子どもの永久歯が生え揃うタイミングで矯正をするべきかどうかを家族で話し合う場が設けられることが一般的です。そして、矯正が必要と判断されれば、迷わず始める。

歯列矯正をさせない親は、親としての責任を果たしていない。こう見なされることさえある文化の中では、矯正は選択肢ではなく、子育ての一部なのです。

「歯並びが悪い=貧しい家庭」という欧米の方程式

 

歯の状態が育ちや素養のバロメーターとして見られる

なぜアメリカはここまで歯並びにこだわるのでしょうか。

その根底には、歯並びが悪い=経済的に恵まれていない家庭=十分な教育を受けていないという、社会に深く浸透した認識があります。歯の状態が、その人の育ちや素養、さらには家庭環境のバロメーターとして見られているのです。

歯の健康への意識と社会的な成功の間には確かな相関がある

これは単なる偏見ではなく、欧米の社会構造と密接に結びついた現実です。幼少期から適切な矯正治療を受けられた子どもは、成人後も美しい歯並びを維持し、自信ある笑顔でビジネスや人間関係に臨むことができます。一方、歯並びを放置したまま育った場合、見た目の問題だけでなく、前述した歯周病・虫歯リスクの増大、さらには社会的な評価にも影響が及ぶ可能性があるというわけです。

日本でも、年収が高い人ほど定期的に歯のメンテナンスをしているというデータがあることは以前お伝えしました。歯の健康への意識と社会的な成功の間には、確かな相関があるのです。

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この記事を書いた人

歯科医師・歯学博士
国立大学法人東京医科歯科大学歯学部歯学科首席卒業。
在学時、英国キングスカレッジ・ロンドン歯学部に留学。その後、東京医科歯科大学歯学部附属病院研修医を経て、東京医科歯科大学大学院に入学し博士号取得。大学院在学中には日本学術振興会特別研究員も務める。
日本歯科総合研究所を2017年に設立し、代表取締役社長に就任。
「日本を世界一の歯科先進国へ」をミッションとして掲げ、歯科業界の発展に貢献すべく活動を行っている。

〈メディア実績〉
・フジテレビ ほんまでっかテレビ
・テレビ東京『なないろ日和』
・小学館『女性セブン』
・日本歯科新聞
・講談社『mi-mollet』
・テレ東プラス+
・光文社『CRASSY』
・PIVOT

〈監修〉
・コニカミノルタ口臭測定器
『kunkun dental』監修

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