歯周病のリスクファクター(歯周病の発症、進行を加速させる因子)細菌因子、宿主因子、環境因子

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歯周病のリスクファクターは3つある

歯周病の進行における個体差に関係しているのが「免疫」です。歯周病は、細菌による感染症です。風邪と同様に考えると、理解しやすくなります。

すなわち歯周病の進行とは、口の中にいる膨大な数の歯周病原菌と、生体防御機構である免疫力との闘いなのです。免疫力が細菌に勝てば、歯周病は発症しません。逆に、免疫力が落ちて細菌の力に負けてしまえば、歯周病が発症します。

ここで歯周病のリスクファクター(歯周病の発症、進行を加速させる因子)について説明します。

リスクファクター① 細菌因子

口の中の歯周病原菌数。プラークが厚くなればなるほど、細菌数は増加します。

特に、「レッドコンプレックス」と呼ばれる悪性度の高い3つの細菌、P. gingivalis(以下P. g菌)、T. forsythia、T. denticolaが、歯周病に最も関連性が深いことがわかっています(※29)。特に、P. g菌がいるかどうかが、病原性の高い歯周炎かどうかの分かれ道となります。

リスクファクター② 宿主因子

加齢とともに抵抗力が低下するため、歯周病が進行しやすくなります。高齢になるにつれて歯周病にかかる人が増加するのは、このためです。

また、細菌感染に対する抵抗力を低下させる全身疾患(糖尿病、骨粗しょう症、腎疾患、血液疾患、特殊な遺伝子疾患など)は歯周病の進行を促進させます。特に糖尿病は、歯周病を2〜3倍も悪化させやすいと言われています。

リスクファクター③ 環境因子

歯周病は、生活習慣病とも言われます。喫煙、ストレス、不規則な生活、アンバランスな食事といった生活習慣は、歯周病の進行に影響を与えます。

なかでも、喫煙は歯周病の進行を促進するだけでなく、歯周治療の効果を減少させ、また歯周炎の再発を誘発することがわかっている、最も危険な因子です。ですから、重度の歯周病、なかなか改善されない歯周病、すぐに再発する歯周病などには、喫煙が隠れていることが多いのです。喫煙歴、本数により、2〜8倍も歯周病が悪化しやすいと言われています。

なお、喫煙している人への警告となりますが、喫煙者のほぼ全員が歯周病であると言っても過言ではありません。すぐにでも禁煙に向けて努力するべきでしょう。

また、忘れてはいけないのが、「内服薬」の影響です。

血圧の薬(内科、循環器科)は、血行を良くするため歯ぐきが腫れやすくなる原因となりますし、ホルモン剤(産婦人科)の中には細菌の増殖を助長する効果を持つものがあります。また、骨粗しょう症(整形外科)の薬は、骨の新陳代謝に影響するため、歯周病の進行に影響を与えます。

では、これらを踏まえた上で歯周病を予防するにはどうしたらいいのでしょうか。次の関係をご覧ください。

┌────────────────────────┐
 A【細菌因子 + 宿主因子 + 環境因子】< B 免疫力
└────────────────────────┘

つまり、このように「A<B」の状態を維持し続けることです。しかし、宿主因子や環境因子には、自分ではどうにも出来ないものがあります。その一つが加齢です。加齢とともに抵抗力が落ちるのは自然の摂理です。また、歯周病のためだからといって、薬の服用をやめることもできません。

そもそも、日常的にストレスと睡眠不足を抱えている現代人は、それだけでも歯周病のリスクは高いと考えられます。健康で強い免疫力が維持されていれば、侵入した細菌に負けることはありません。しかし慢性的に疲労している場合などは免疫力が落ちているため、歯周病のリスクは高くなります。

そんななか、唯一コントロールできる因子が「細菌因子」です。歯周病の原因となる細菌数を抑えること、すなわち「プラークコントロール」です。加齢や、加齢に伴う抵抗力の低下はどうにもならなくても、自分の意思でコントロールできるのがプラークコントロールです。

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