正しい歯みがきの目的はプラーク除去

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欧米人より歯みがきをする日本人の落とし穴

ところが、困ったことに、日本人はこのプラークコントロールができていないのです。

私たち日本人は、自分たちが「潔癖症」であることを意識することなく、潔癖であるのが当然であるかのようにして日々の生活を送っています。そんな日本人のきれい好きは、歯みがきの回数にも反映されています。

2016年に厚労省が行った歯科疾患実態調査によると、日本人の95%が、毎日歯みがきをしており、1日に2回以上歯を磨いている人の割合は77%にのぼりました。なかでも、1日に3回以上歯を磨く人の割合は27・3%と、4人に1人がお昼休みにも歯みがきをしているという結果が出ています。

実は、1日に3回歯を磨くのは欧米では珍しく、1日2回磨くのが一般的と言われています。それだけ日本人は熱心に歯みがきをしているわけです。
それにもかかわらず、日本人の成人の約80%が歯周病と言われています。

磨いているのに歯周病、この現象は一体どういうことでしょうか。

ここで明確にしなければならないのは、磨いているのに「磨けていない」という実態です。「毎日きちんと歯を磨いている」と主張する患者さんの清掃状況を、染め出し剤で確認すると、真っ赤に染まるケースが少なくありません。

つまり、「磨き方が間違っている」のです。

歯みがきの目的はプラーク除去

そもそも、歯みがきの目的とは何でしょうか。私が患者さんに歯みがきの目的について尋ねると、大抵の場合「口の中の食事の残りカスを取り除くこと」と返ってきます。

これは間違いです。

正しい歯みがきの目的は、「プラークを除去すること」です。なお、多くの人が誤解していますが、プラークは食べ物のカスではありません。繰り返しますがプラークとは細菌の塊です。

プラークは食後約8時間ほどで作られます。プラークが厄介なのは、食べ物の残りカスとは異なり、うがいでは簡単に取り除くことができないという点です。取り除かれなければ、プラークは厚みをどんどん増して、より密度の濃い細菌集落を形成し、病原性を増して人体に悪さを始めます。

そしてこのプラークは、2〜3日間ほども放置されてしまえば、だ液中に含まれるカルシウムなどのミネラル成分を取り込み石灰化し、硬い歯石へと変わります。歯石となってしまうと、もはや手遅れです。自分では取り除くことができないため、歯医者に行って取り除いてもらうほかありません。

歯石は、表面がデコボコしているために細菌が付着しやすく、細菌繁殖の温床となります。ですからプラークが歯石へと変わる前に、つまり1日1回は、プラークをしっかり取り除く必要があります。そこで「歯みがき」の出番です。

歯みがきは歯ブラシで行います。歯ブラシを選ぶポイントは後述しますが、歯みがきにおいて何よりも重要なことは「プラークを除去すること」です。自己流でも何でも、どんな磨き方をしても構いません。磨けてさえいればいいのです。

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