糖尿病は歯周病治療で好転する可能性・内臓で起きたら命取りの炎症が歯ぐきで起きている

内臓で起きたら命取りの炎症が歯ぐきで起きている
要は、歯周病は口の中に限定された病気と見せかけておきながら、炎症反応を発端として免疫に関わる様々な物質を活性化し、それらが血流を介して全身へと運ばれ、あちこちで悪さを働くのです。
「歯ぐきのちょっとした炎症が? 大げさだろう」と思うかもしれませんね。しかし、5㎜程度の深さ(ポケット)の炎症が、仮に上下の歯28本にあるとすると、なんと手のひらサイズの炎症に相当します。これと同じ面積の炎症が胃や肝臓にあったら、命取りになるサイズです。
そして、歯周病は進行していてもなかなか気が付きにくい病気であるというのも重要なポイントです。歯周病は、気付いたときにはすでに長期的に続いていたということがほとんどでしょう。
一見、口の中にしか問題がないように見える歯周病ですが、実際は「慢性的」かつ「全身性」に炎症が引き起こされている、きわめて異常な状態と言えます。
さらに恐ろしいことには、歯周病の原因菌そのものが、毛細血管から血管へと侵入して全身を駆け巡り悪さをすることも指摘されています。血管内へ侵入した細菌は、血流にのって各臓器へと運ばれ、その臓器で炎症反応を引き起こし傷つける、というわけです。

糖尿病は歯周病治療で好転する可能性
では、こうした異常事態である歯周病を放置しておくと、我々の身体にはどのような症状が出てくるのでしょうか。

歯周病と全身疾患との関係において、最も注目を浴び、またエビデンスの高さからも重要視されているのが、歯周病と糖尿病との関係です。
糖尿病は周知のとおり血糖値の高い状態が続き、それが原因となって、全身の様々な器官に異常が現れる怖い病気です。糖尿病は大まかに説明すると、長年の不健康な生活習慣に起因する2型糖尿病、それ以外の先天的や若い時にかかる1型糖尿病に分けられます。
日本人の成人の糖尿病の90%以上は2型糖尿病で、主に中高年以降に見られます。国内には糖尿病を治療中の患者だけで328万9000人、予備軍を含めると約2000万人にのぼると発表されている国民病です。
糖尿病で怖いのは合併症です。糖尿病の期間が長くなれば長くなるほど様々な合併症が起きやすくなり、失明や人工透析、足の切断などに至る患者さんが発生します。
そんな怖い糖尿病のリスクファクターに、歯周病が挙げられているのです。
では、なぜ、歯周病が糖尿病の原因となるのでしょうか。
歯周病は「炎症性物質」を作って全身に悪影響を及ぼすとお伝えしました。実は、その炎症性物質が、血糖値を下げるホルモンであるインスリンの働きを邪魔して、細胞へのブドウ糖の取り込みを阻害するのです。その結果、血糖値が上昇して糖尿病が悪化してしまいます。

つまり、歯周病を治療することで、糖尿病が好転する可能性があるのです。
このことは、日本糖尿病学会の科学的根拠に基づく糖尿病治療ガイドラインにも明記されています。実際に、2型糖尿病を患っている患者さんが歯周病治療を行うと、血糖値が改善して、糖尿病が快方に向かうという研究結果が報告がされています。
ですから、なかなか血糖値が下がらない場合には、歯周病を疑ってみると良いかもしれません。

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