喫煙者の息を嗅ぐと、有害物質である「ニコチン」や「タール」に由来する独特の不快臭がします。
喫煙者に口臭があることは、こうした喫煙自体による影響もありますが、実際は喫煙により歯周病が進行した結果、口が臭っているのです。
タバコと歯周病の関係については184ページでも説明しましたが、もう一度流れを確認します。
タバコを吸うと、タールによってだ液の分泌量が減少し、それにより歯周病の原因であるプラークが歯に付着しやすい環境となります。
加えて、ニコチンの血管収縮作用によって歯ぐきの血行不良が誘発されるのです。
その結果、歯周病が極めて進行しやすく、悪化しやすい状況が作られるのです。
つまり、喫煙者の息がにおうのは、タバコそのもののにおいもありますが、主原因は歯周病なのです。
それならば「タール」がほとんど出ないという売り文句でヒットしている、電子タバコ(加熱式タバコ)の口臭のリスクはどうなのでしょうか。
タールとニコチン――この両者が揃うと、その相乗効果によって歯周病はより進行しやすくなります。ですから、相方のタールがいなくなれば、確かに歯周病のリスクは減弱します。
しかし、実際はタールよりも、強力な血管収縮作用で歯ぐきの血液循環を阻害するニコチンのほうが、歯周病のリスクとしては高いでしょう。ですから、依然として「ニコチン」を含んでいる電子タバコを吸っている限り、歯周病へのリスクを負っていることに変わりはなく、当然口臭もするわけです。
そして、もう一つ重要なこととして、そもそも紙巻タバコ、電子タバコのどちらかに関わらず、喫煙という行為そのものが、口で呼吸をする口呼吸とならざるをえないことから、口の中が乾燥しやすくなります。
口の中の乾燥は、だ液の分泌が下がった状態と環境は同じですから、口臭が強くなりがちです。ヘビースモーカーであれば、時間を見つけては喫煙による口呼吸が繰り返されますので、口の中の衛生状態が悪化しやすくなり、ひどい口臭がするわけです。
喫煙者のほぼ全員は歯周病、禁煙するだけで歯周病のリスクをかなり低減させられるといわれるほど、タバコは歯周病の高リスク因子です。
ましてや、本人が気付いていないだけで、タバコによる口臭被害を受けている方が周りにいることを忘れないでください。タバコは百害あって一利なし。禁煙を目指して、爽やかな息を取り戻していきましょう。

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