クラリネットなど吹奏楽で歯並びは悪くなる?

指しゃぶりや唇噛み、爪噛み、舌の癖、口呼吸が歯並びに影響を与えることを紹介しましたが、これに付随する話として、「昔、管楽器をやっていたから歯並びが悪くなったのでしょうか?」「歯並びのためには楽器をやめたほうがいいですか?」と質問されることがあります。さて、楽器の影響、心配する必要はあるのでしょうか。

歯並びに影響を与える要因は、大きく分けて2つあります。一つは、遺伝的要因であり、オーストリアの王家であるハプスブルク家に見られる下顎前突症、すなわち受け口の家系が最も有名な例です。実際の臨床では、ご両親とそのお子さんとの間でよく似た不正咬合を認めるということはよくあることで、我々歯科医にしてみれば、そのお子さんが将来的にどの程度、どういった歯並びになるかを予測する手助けともなります。

そして、もう一つが冒頭で挙げた指しゃぶりや爪噛みなどの環境要因です。その他、うつ伏せ寝や、頬杖(ほおづえ)なども挙げられます。こうした環境因子が、どの程度歯並びに影響を及ぼすかについては、長らく研究が進められてきました。その結果、重要なのは加わる力の強さよりも、「作用時間」だということがわかってきました。様々な実験から、力が作用する時間が十分に長ければ、極めて弱い力であっても、歯を移動させるのに十分であることがわかっており、歯並びに影響が出始める作用時間の目安は1日約6時間といわれています。

口の周りには、唇、舌、頬などの筋肉がありますが、これらの筋肉は弱い力ではあるものの常に作用していますから、その悪習癖は歯並びに影響を及ぼしやすいわけです。
一方で、その習癖の時間が短ければ、加えられる圧力の大小に関係なく、ほとんど何の変化も生じません。連日、一日中練習するようなプロやセミプロの演奏家を除けば、趣味の範囲にとどまるアマチュア演奏家は心配する必要はないでしょう。

アマチュアの吹奏楽程度では歯並びに影響はしない

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