咬み合わせと顎関節症は無関係って本当?
「矯正治療で顎関節症は治りますか?」「顎関節症の予防に矯正治療は効果的ですか?」
最近、顎関節症と矯正治療の関係について、こうした質問をよくいただきます。
顎関節症の三大症状と全身への影響
顎関節症は、「顎が鳴る」「顎が痛い」「口が開きにくい」の3つを主な症状とする疾患です。
しかし、症状は顎だけにとどまらず、頭痛や肩こり、首の痛み、ひどい場合には耳鳴りやめまいを引き起こすこともあるため注意が必要です。
その顎関節症の原因として、多くの場合「咬み合わせの悪さ」が挙げられます。
インターネット上には「咬み合わせを治せば顎関節症は治る」といった偏った情報があふれているため、そう考えてしまうのも無理はありません。
「咬み合わせが悪い=顎関節症」は成り立たない
しかし実際には、顎関節症に悩む患者さんの多くは、咬み合わせとは関係がないケースがほとんどです。
仮に「咬み合わせが悪い=顎関節症」という図式が成り立つとしましょう。
その場合、「咬み合わせが悪い人は必ず顎関節症になる」「顎関節症の人は必ず咬み合わせが悪い」という2つの条件が、どちらも成立しなければなりません。
では、咬み合わせが悪い人は全員が顎関節症でしょうか? 決してそうではありません。
逆に、歯並びも咬み合わせも申し分ないのに、顎関節症になっている人も大勢いらっしゃいます。
つまり、「咬み合わせが悪い=顎関節症」という関係は成り立たないのです。
そのため、咬み合わせを治せば顎関節症が治るとは、はっきり言うことができません。
咬み合わせが原因になるケースもある
ただし、誤解しないでいただきたいのですが、咬み合わせと顎関節症がまったく関係ないというわけではありません。
決して咬み合わせを軽視しているわけではなく、咬み合わせの悪さが原因で顎関節症が引き起こされる場合も、もちろんあります。
たとえば、被せ物を入れた際に、咬み合わせの調整が十分にされなかった場合です。
また、顎関節症との関連が指摘されている不正咬合もあります。
- 下顎が上顎に対して小さく、後ろに下がっているために出っ歯になっている
- 前歯がぽっかりと開いていて、奥歯の数本でしか噛んでいない
- 部分的に下の歯が上の歯よりも前に出ている
こうした咬み合わせは、顎関節症の原因になりうるといわれています。
とはいえ、繰り返しになりますが、不正な咬み合わせを持つ人がすべて顎関節症になるわけでは決してありません。
ですから、矯正治療で咬み合わせが改善すれば顎関節症が治るとも、言い切ることはできないのです。

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