レーザーで虫歯治療の「削らない」「痛くない」はどこまで本当?

歯科でも、レーザー治療の看板を掲げる歯科医院が増えています。
「削らない」「痛くない」という売り文句を耳にしたことはないでしょうか。歯医者が苦手な人にとっては魅力的な響きですよね。
でも実は、そう謳えるのにはからくりがあります。

レーザーで治療できる虫歯は「小さな初期の虫歯」が中心

レーザーで歯を削って治療する虫歯は、あくまで「小さな初期の虫歯」が中心です。つまり、深くまで削らないから痛くないのです。
これは、レーザーで歯を削るには従来の治療よりも非常に長い時間がかかる、という欠点によるものです。

従来の治療で耳にする「キーン」という不快な音が、歯医者嫌いを生んでいることは否めません。
音や振動に強い恐怖感を抱いている患者さんにとって、こうした不快音のないレーザー治療は魅力的でしょう。
しかし治療時間でいえば、従来の削る器具なら10秒で終わるところが、レーザーだと5分、長い場合には10~20分かかることも珍しくありません。

結局のところ、神経に近いような大きな虫歯の場合は、レーザーでも痛みが出るため麻酔注射が必要になります。
さらに、たくさん削る場合は長時間口を開け続ける必要があり、大変な疲労を伴います。
こうした点を考えると、従来通りの治療法を選んだほうがいい場合もあります。

また、レーザーで削った部分は、従来の器具で削った場合に比べて表面のなめらかさがやや劣るという欠点もあります。
そのため、金属などの被せ物や詰め物がぴったりはまるように削る作業には向いていません。
結果として、虫歯治療でのレーザーの適応は、小さな虫歯をプラスチック(レジン)で詰める場合などに限られてしまうのです。

ただし誤解していただきたくないのは、レーザー治療の価値を否定しているわけではないということです。
歯周病治療や黒ずんだ歯ぐきの治療、口内炎や知覚過敏の治療などでは、非常に良い治療結果が得られるといわれています。

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