がん予防も歯科検診で歯医者で見つかる恐いがん

2019年2月、タレントの堀ちえみさんが(舌扁平上皮がん)と診断されました。いわゆる舌がんですと公表しました。
このニュースで「口にもがんができるの!」と驚かれた方もいるようです。それもそのはずです。
日本国内で1年間にがんと診断されるのは約100万人と言われていますが、その中で口腔がんは1〜2%程度しかありません。とはいえ年間1万〜2万人がかかるわけですから、決して他人事ではなく、あなたが口腔がんにかかる可能性は十分にあるのです。
口腔がんとは、口の中の歯を除く部分、舌と舌の下の部分である口底、歯茎、唇にできるがんの総称で、口腔がんの中でも最も頻度が高いのが舌がんです。発症頻度は、男性が女性の2倍以上と高く、また高齢になるにつれて高くなります。
認知度が低いために、口腔がんに気づかず進行するまで放置されてしまうケースも多く、それゆえ死亡率が高くなっているという問題があります。口腔がんの5年生存率は、ステージ1の段階で発見できれば90%以上とほぼ根治できますが、ステージ4ともなれば45〜50%まで低下する恐いがんです。
口腔がんの主な原因は喫煙と飲酒です。この2つは口腔がんに限らずあらゆる器官に悪影響を与えるので注意するのは当然として、もうひとつ、口腔がん特有の原因として重要なものがあります。それは、不適合な入れ歯、もしくは虫歯の放置により尖った歯が、常に舌や粘膜にこすれるなどの「慢性刺激」です。
ですから、合わない入れ歯はそのままにしないこと、また、口の中の衛生環境を整えておくことは、がん予防という観点においても非常に大切なことなのです。
話を堀さんのケースに戻します。がんとわかったときには既にステージ4。なぜ、もっと早くに発見できなかったのでしょう。報道によれば、当初、堀さんは早期の段階で異変に気付き歯科医師に相談されていました。しかし、その時の担当医が、舌がんを口内炎と誤診、見逃してしまったというのです。
専門家である医師が、なぜそんなミスを犯したのでしょうか。それは、初期の口腔がんは、いわゆる普通の口内炎と外見上においてほとんど区別がつかないからです。しかも、堀さんの場合は不幸なことに、関節リウマチの治療を受けていました。その治療薬の副作用に口内炎があったため、それと見誤った可能性もあります。
では、初期の口腔がんと口内炎は全く判別できないものなのでしょうか。そんなことはありません。両者には決定的な違いがあります。それは、「自然治癒するか否か」です。
口内炎であれば、適切な治療をすれば、(場合によっては何もしなくても)1〜2週間もすれば自然と治ります。対照的に口腔がんは同様の処置を施しても一向によくなりません。この差が極めて重要です。
また、口内炎は必ずといっていい程、ひどい痛みを伴うことが多いのですが、初期の口腔がんの特徴として、「痛みを伴わないことが多い」ということも着眼すべき点です。
口腔がんは日頃から口の中を見る習慣があれば、早期発見できる可能性があります。舌がんであれば、好発部位は舌の両脇です。舌の先端や表面の中央部分にはあまり見られません。また、口腔内の粘膜はピンク色が正常ですが、この粘膜が白く変化していくことがあります。こういった色の変化にも要注意です。そして、進行するに従い、硬いしこりやただれ、潰瘍、持続する痛みや出血、また口臭が強くなるといった症状が現れます。もし、口の中になかなか治らない異変があったら、大きな病院での専門医による精査を受けましょう。
当然ですが、そんな自覚症状が出る前に早期発見するのがベスト。虫歯の有無だけではなく、口内の異変にまで気を配ってくれる信頼できる歯科医師を見つけ定期的に受診して口腔内をチェックしてもらうといいでしょう。
大事なことなので繰り返しますが、口の中のがんは、「痛いけど、虫歯が原因だろう」とか「違和感が続くけど、合わない入れ歯のせいだな」といった思い込みや勘違いにより見逃されていることが多く、これが死亡率が下がらない要因の一つとなっています。
痛みや違和感があったら歯科医院に向かう習慣が命を救うこともあるのです。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

コメント

コメントする

目次